西村博之の著書「働き方 完全無双」を読んでみた。
雇用制度が崩壊しつつある日本において、いまの若者は「抜け道」を探しながら生きていくべき、といった内容である。
読んでいった感想を一言でまとめるとすれば、
「とりあえず新しいことはやってみろ。日本には生活保護もあるし、リスクはない」
といったところだろうか。
新しいことにはチャレンジしておけ
本では「新しいことには挑戦し続けよう」という言葉が、繰り返し述べられている。
今では無料でできるコンテンツやサービスが充実しているんだから、べつに自分が損することってないでしょ?っていう内容。
たしかに、アカウントを持つだけ・利用するだけなら完全タダで使えるものがあふれている。
Webサービスはだいたいタダ
オフラインや現地で利用するようなサービスは難しいが、Webサービスならだいたいタダで利用できる。
TwitterやインスタグラムなどのSNSはもちろん、YouTubeやニコニコ動画、ゲームだってほぼ無課金で試せる時代。
歌声合成といえば「VOCALOID」が主流だったが、2020年には「Synthesizer V」という無料でWeb利用できる対抗サービスが出始めている。
音楽制作なら「REAPER」、アニメーション制作だったら「Blender」というフリーソフトでほぼすべての作業が完結できる。
おそらく、これからも上記のようなタダで使える環境は増えていくだろうから、とりあえず先行者有益としての地位を確保しておけ!ということ。
当たり前のように存在しているサービスでも、タダでこれだけ利用できる環境がそろっているんだな〜と実感させられた気がした。
「生活保護」戦略は、若い人たちの参考になりそう
また、本書の中で、ひろゆきの友人が「仕事に疲れたからうつ病ということにして、生活保護をもらっている」というエピソードが紹介されていた。
精神科or心療内科では、自分が話すことからしか症状を伝えることができない。
そのため、
- 睡眠薬を飲んでも眠れない、寝る時間が不足している
- 食べ物を口にしても、味がわからない
といったキーワードを提示すると、医師は「健康でない」と判断せざるを得なくなり、診断書を書くようになるらしい。
わたしは、精神的に参って会社を休職→退職した過去がある。だから分かる。このエピソードは、あながち間違ってない。
問診だけで診断書を書いてもらうのは「本当に自分の話していることで合っているのか……?」と、違和感があった時期もあった。
ベーシックインカム代わりとしての生活保護
また、いまの日本にはベーシックインカムが導入されるという話は出ていない。
その代わり、最後のセーフティーネットとして存在する制度「生活保護」をベーシックインカムとして利用するのもアリなんじゃないか?と述べられていた。
たしかに、日本で生きている以上、よほどのことが無いかぎり死ぬことはない。
モラル的にグレーなところもあるけれど、個人で生き残るためには、制度をいいように使うことも必要なんじゃないかな?と感じるようになった。
まあまあ面白かった本でした
個人的に印象に残った部分は上記2つだけだったが、ほかの章もそれなりに楽しく読むことはできた。
- お金を持て余して仕方ない層(アラブの石油王とか)に向けた観光地・ホテルを建設して、国内で消費してもらう
- 禁止ばかりしていたら、そりゃあ新しい技術は生まれない
- 老後、ガンになってから2000万円くらい補助されるくらいなら、その資金を若いときの教育や結婚に回したほうが建設的
など、いろんな面から「若い世代」を味方につけているような内容で、共感できるところも多かった。
サラリーマンとして毎日働くことに疲れているなら、いちど読んでみることをオススメする。