先日、就労移行支援の事業所の見学をしてきたので、ぼくが「特に重要視した点」をまとめてみたいと思います。
※精神障害(うつ病)での内容となります。
見学時にチェックしていたポイント
通いやすさ
ぼくの場合、駅から徒歩圏内にあるかは、何よりも重要でした。体調によってどうしても通勤が辛い日があるためです、駅から近い事業所であれば、無理せず通うことができると考えたためです。
(そもそも通う理由が、生活スタイルを治すところからのスタートなので)
天候不良や体調不良による公共交通機関の乱れがあっても、代替手段で通える場所だといいですね。駅からバスが出ていたり、複数の路線が利用できたりする場所がおすすめです。
実際に歩いてみて、距離感を確認するのも良いでしょう。坂道が多い、信号が多いなどの場合は、負担が大きくなる可能性があります。
事業所の設備
パソコンや書籍の種類が充実しているかは、ざっと目を通しておきましょう。
- 自分の興味のある分野の本があるのか
- 役立つ教材が揃っているのか
- パソコンのスペックがそれなりにあるか
などをチェックポイントにしていました。可能であれば、見学中に教材を見せてもらうのがおすすめです。
また、席はパーテーションで区切られているかも確認していました。集中して作業できるか、周囲の目を気にせず、自分のペースで学習できるのか、周囲との距離感などです。
さらに、事業所そのものの広さも、わりと重要だと思いました。窮屈すぎると圧迫感を感じますし、開放感がありすぎると逆に肌に合わない人がいるかもしれません。ぼくは前者で、「ある程度、人とのスペースがあった方が安心できる」という気づきがありました。
あとは、建物としての居心地が良いかをチェックしておくといいかもしれません。ぼくが重視したポイントは、
- 室温:暑すぎたり寒すぎたりしていないか
- 明るさ:日当たりや照明環境が合ってそうか
- 換気:空気がどんよりしてないか
- 騒音:周囲の音が気になるか
- トイレ:利用者の割に少なすぎないか
でした。
スタッフの雰囲気
スタッフの対応や人格によって、質問や相談しやすい雰囲気であること(=安心感を得られるかどうか)を判断しておきましょう。ある意味上司みたいな立場で接することになるので、けっこう重要です。
見学中に、スタッフの目線や気配り力・相談にしっかりと耳を傾けてくれるかをチェックしておきましょう。
ぼくは判断材料の1つとして、「精神保健福祉士」などの専門資格を持つスタッフがいるかも確認しました。うつ病などの精神疾患に関する専門知識を持つスタッフがいることで、客観的なサポートを受けられる可能性が高いと考えたためです。
可能であれば、見学中に、スタッフの資格について尋ねてみるのも良いでしょう。
利用者の雰囲気
もし初回の見学でプログラムに参加している利用者を見れるのであれば、利用者同士の会話の様子を観察しておきましょう。前向きな雰囲気の人が多いと感じられれば、通所のモチベーションを維持しやすいです。
また、どのような障害を持っている利用者が多いかも重要かもしれません。ぼくは見学前はさほど気にしてなかったのですが、自分と似た境遇の利用者(=うつ病)が多い方が、共感しやすく、それなりに情報交換もできると思いました。
さらに、利用者の年代層が自分に合っているかもチェックしておきましょう。「幅広い年齢層の利用者と交流することで視野が広がる」という人もいるかもしれませんが、ぼくは同年代が多い方が共通点が多そうなイメージを持ちました。
カリキュラムの柔軟性
カリキュラムは、事業所ごとに「ゴリゴリにカリキュラムが組まれた中で選択して受講する形」なのか、「個々に合わせて柔軟にプログラムを提供している」など、全く違った特色があります。
ほとんどの事業所では、見学中にカリキュラムの内容について説明を受けることができるので、
- どんな形で受講するのか(講師の対面授業形式、利用者同士のディスカッション形式、PCでの自習形式、…)
- 午前・午後で、どのくらいの頻度で授業が行われているか
- 個別の指導やサポートは、どの程度受けられるか
くらいは見ておきたいところです。
また、仕事のスキルとメンタル面の対応力のどちらに比重を置いているかも確認しておきました。ぼくの場合ですが、メンタル面のサポートに重点を置いている事業所を選びたいと思っていたので。
就職の実績
見学した事業所から、どのような業種・企業に就職しているかは、事業所内に掲載されていたり、資料として閲覧できることが多いです。
具体的には、
- どのような業種に就職している人が多いか
- どのような規模の企業に就職している人が多いか
をチェックできます。
ぼくは、「うつ病の雇用実績がある企業から就職できた事業所」であることを重要視していました。
建前上、就労移行支援では「就職のあっせん」をしている訳ではないです。おそらく、職業紹介で利益を得ることは労働関係の法律で厳しく制限されているので、表向きには出せないのでしょう。
しかし、ある事業所の見学では、しっかり通えており、かつ募集している企業でマッチする人がいれば、優先的にスタッフから企業見学の声をかけてくれる場合もある…という話を聞くことができました。
その他
あと、ぼくとしてはそれほど重要視してませんでしたが、
- 昼食の提供はあるか
- 交通費の支給があるか(事業所or市町村の条例など)
- 就労定着支援制度(6ヶ月の支援とは別に、就職後3年間のサポートを受けられる制度)があるか
もチェックしておくといいのかな?と思いました。
金銭的に通いやすくしておくのも、人によっては大切かもしれませんからね。
要は「自分が通いたいと思えるか」だと思った
こんな感じでいろいろ並べてみましたが、
- ここに通って生活スタイルを整えることができそうか
- ある程度、社会的なスキルをつけることができるのか
- 就職に足りなそうな部分を補ってくれそうか
- スタッフや利用者の雰囲気は自分の肌感覚に合っているか
という部分が大切なんだな、と思いました。ここまで細かく計画してから行く必要もないですが…(ぼくも最初はノープランでした)
せめて、「どうして就労移行支援に通いたいのか」を明確にしてから、事業所見学をしていくことをおすすめします。