わたしは、これまでの人生で一度しかライブDVDを買ったことがない。聖飢魔IIのラストミサ「THE ULTIMATE BLACK MASS」である。
聖飢魔IIの存在を知ったのは、1999年に解散した後。もう聴きはじめて6年くらい経つだろうか。
活動期間が長く、リテイクを含めて何作もCDを出しているため、最初はどの大教典(アルバム)から聴けばいいのか迷っていたのも懐かしい。
今回は「解散した後に聖飢魔IIにハマった人」に向け、とりあえず初心者ならチェックしておきたいCDをまとめてみた。
独断と偏見で決めたオススメ大教典(アルバム)
1999 BLACK LIST「本家極悪集大成盤」(1999年5月21日)
これは絶対に外せない。聖飢魔IIをよく知らない人でも、「蝋人形の館」は分かるかもしれないし。
初期曲である「地獄の皇太子」「FIRE AFTER FIRE」はリテイクバージョンであり、半オクターブ下で歌われている。だが、活動後期や再集結するときのキーはこの音源が元になっているので、むしろこっちを聴かないと違和感がある。
個人的なオススメ曲といえば、「BRAND NEW SONG」。あの見た目でこんなキレイな曲が出てくるとは……と、初めて聴いたときの衝撃がすごかった。
後にデーモン閣下は、自身が出演したBSテレ東の「MUSIC TRAVEL」において、曲が作られた背景を語っている。
要約すれば、
- レコード会社側から、ウケがよく売れるポップ路線に変更するよう言われる
- 迷走&失速を繰り返し、このままでは1999年の解散まで持たなくなるかも……という沈滞ムードが起こる
- バンド最後の加入者であるルーク篁により、グループの現状を見つめ直すために作られる
といった感じだろうか。
「BRAND NEW SONG」なくして、その後の聖飢魔IIの活動しえなかったと知ったときは、この曲に対する見方が大きく変わった。
LIVING LEGEND(1999年10月21日)
1999年の解散前に出した大教典。オリジナルとしては最後である。
上記でポップな曲に移りつつあったと書いたが、一発目の「HEAVY METAL IS DEAD」でヘビメタ路線に戻っており、聖飢魔IIらしさがあって好き。
また「CENTURY OF THE RAISING ARMS」は、
- 未来を生きていく決意を表した歌詞
- 切ないメロディーライン
のどちらもピタッとマッチした曲で、心に響くものがある。
どちらも映像として残っているのはラストミサ「THE ULTIMATE BLACK MASS」だけ。(DVDを買った理由は、この2つを見るためでもあった)
再集結したときに見れたらいいな〜と、それとなく期待している2曲である。
最後にふさわしい、それこそ生ける伝説(=LIVING LEGEND)としてのアルバムだと感じた。
愛と虐殺の日々〜歴代小教典 ソニー時代完全盤〜(2013年11月27日)
解散してから13年後に発売された大教典。これがあれば、前期の聖飢魔IIの曲(リテイク前も含む)はだいたい網羅できる。
「白い奇蹟」や「BAD AGAIN 〜美しき反逆〜」など、バラードを歌ってもこんなにレベル高いのか……と圧倒された記憶がある。
アップテンポな曲だけ聴いてもいいのだが、ワンパターンだと疲れてしまう。適度にゆっくりな曲はさんでいくことで、永遠と聴くことが可能となるのだ。
昔の教典よりリマスタリングされ、音質も良くなっているのでオススメ。
まとめ
生まれた世代もあるんだろうけど、これまで音楽はストリーミング配信で聴ければ満足できるレベルだった。
月額でもCDより安いし、ほかの曲も聴けるためである。
しかし聖飢魔IIにハマってからというもの、「わざわざシングル・アルバムを買いたいと思う人の気持ち」が分かるようになった気がした。
とくに特典が付いているってわけでもないんだけどね……
純粋に、このバンドを見てみたい!という気持ちだけで、1万円ちょいするライブDVDの購入まで至ったのは不思議な感覚だった。
ちなみに、解散後20年にあたる2019年から、すべての大教典をApple Musicで聴くことができるようになった。
もしApple Musicに加入しているなら検索してみることをオススメする。
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